トップページ > マインドマップ事例 > 事例:マインドマップの精度を上げるには

事例:マインドマップの精度を上げるには

マインドマップの講座の際、受講生の皆さんから
「マインドマップをきれいにかくには、どうすればよいですか?」と、
ご質問を受けることがあります。

「脳が喜んでいるから、マインドマップはきたなくてもいい」と
解説するインストラクターもいます。

私は編集デザインの出身です。デザイナーはコンマ1ミリにこだわる職業で、
文字のベースラインがほんの少しずれているだけで落ち着かなくなります。
きたないマインドマップを、私の脳はまったく喜びません。

私と同じように、きたないものを喜べない方々も大勢いらっしゃると思います。
その状態は、とても正しいです。


きたない/きれいが問題ではなく、
「かいた本人が、現在のマインドマップの状態に満足しているか?」
こちらのほうがとても大きいのです。

ぐちゃぐちゃにかかれていても、
本人が満足&納得していれば、その人の脳も喜んでいます。

一方、ぐちゃぐちゃに書かれている状態を
本人が満足&納得していなければ、やはり脳は喜ばないのです。

「おっ! こんなにかけた!」
この満足感が大きいのですね。


10月初め、高松で行われたSong in Blueのイベントを観に行きました。
そのとき、作・編曲家 井上鑑氏から、美術家 内藤礼さんのお話があり、
中途半端なまま数年間ほったらかしていた「Soundingsのマインドマップ」を
思い出しました。

2007年5月に開催されたSoundingsのイベントにて、
井上鑑氏と内藤礼さんのトークショーがあったので、
その場で簡単に1色のミニマインドマップでまとめました。

イベントが終わってから、改めてフルマインドマップにまとめたものが、
以下のマインドマップです。

▼2007年5月に描いたマインドマップ

soundingsイベント


 

当時描いていたマインドマップは、いわゆる「マインドマップもどき」です。

発展途上の状態で、自分のスタイルもできあがっていなかったので、
本人も「描きにくい」と思いつつ描いていました。
おかげで、ブランチがむにょ~むにょ~と伸びるわりにキーワードが載ってきません。

しかも、このマインドマップは、この形になるまでに「4回」描き直しています。
4回描き直したもののしっくりこなくて、イベントの内容も盛り込めなくて腑に落ちず、
そのまま放置してしまいました。

要するに、「この状態を本人が満足していなかった」のです。
そして、そのまま、ほったらかし。4年間も………。


Song in Blueから戻ってきたら、
このマインドマップを完成させたい気持ちが強まりました。

「今すぐに」完成させたくて、結局、徹夜でそのまま突入。
一気に描き直したのが以下のマインドマップです。

▼2010年10月に描いたマインドマップ

soudingsイベント


短時間で一気に描いているので、美しいとはいいがたいです。
しかし、Soundingsで何が語られたのか、この1枚から十分に伝わってきます。
2007年マップにあるイラストがいくつか抜けていますが、
これは、落ち着いてから描き足すつもりで、スペースを確保してあります。

不足していた情報は、Webサイトをサーチして追記しています。
2007年のときに把握できていなかった部分も、
今回追記したことでじつにすっきりと腑に落ちました。

このマインドマップを見れば、
いつでもSoundingsの内容を思い出すことができます。


せっかくマインドマップを始めたのに、
途中で諦めてしまう方々がいらっしゃいます。ひじょうにもったいないです。

描き続けていると、必ず「自分にとって腑に落ちる」瞬間がやってきます。
セントラルイメージの描き方、キーワードの選び方、
どういうふうに枝を伸ばしたら自分は心地よいと感じるか、
納得いくポイントが必ずおとずれます。

「どのように描けば自分が心地よく感じるか」、これはもう「量」が決め手です。
それまでの間、使うマーカーや色鉛筆を変えたり、ちょっと描き方を変えたりして、
いろいろ試すことが重要です。


もちろん、何枚か描いてみて、
「自分には合っていないから、マインドマップはやめる」という選択肢もあります。
それはそれでOKです。
万年筆の感触が好きなのに、ボールペンを使い続けても心地よくはなりません。

しかし、なんとなく面倒だったり、うまく描けなくてトーンダウンしてしまった方々は、
ぜひもう少し続けてみてください。

ものごとはすべて、「量」を重ねることが重要です。
淡々と量を重ねていくと、いつか必ず「質」の変化するときがやってきます。


むりなく「量」を重ねるときの、ちょっとしたコツをお伝えしますね。

「そのマインドマップを第三者に差し上げる」ことを目標にしてみてください。
それも、「マインドマップを描いていない方々」に差し上げるのがベストです。

マインドマップを描く人同士で見せ合うことでお互いに切磋琢磨することも、
もちろん意義はあります。
しかし、マインドマッパー同士で見せ合うと、無意識に優劣を考え、
批判が始まってしまうから注意が必要なのです。

「あら? マインドマップなのに、ず~いぶん文章を書いちゃっているのね」

私が嬉々としてライブレポート・マインドマップを描き始めた頃、
あるインストラクターの女史に言われた一言です。
ひじょうに心に突き刺さりました。
「そんなマインドマップ、邪道邪道。異端よ」と言いたげに
軽蔑の目で切り捨てられたことも、今でも鮮明に記憶に残っています。


マインドマップを描いたことのない方々やご存じでない方々に差し上げる場合、
「どうやったら相手に伝わるかな? どうやったらわかっていただけるかな?」
この部分だけを真剣に考えるようになります。

相手にとってわかりやすいマインドマップは、描いた本人にもわかりやすいです。
相手にとって見やすいマインドマップは、本人も読みやすいです。
目的が明確ですから、短期間でマインドマップの精度を上げることができます。

「うまく描かなくてはならない」という余計なMustもなくなって、
リラックスして楽しんで描けるようになります。

それも、尊敬する人や大好きな人に差し上げることを目標にすると、
なおさら奮起して、とてつもない火事場の馬鹿力が出ます。
相手のかたが喜ぶ顔をイメージすると、それだけで
「どうやって伝えようかな?」とワクワクしてきます。

これも、レバレッジの力ですね。


内容は、最大限の吟味が必要です。
相手のかたにとって興味のある内容をマインドマップで描いてみましょう。
興味のある内容や関心のある内容であれば、
「マインドマップは読みにくい」とされるウィークポイントはあっという間に突破できます。

「バースデー・マインドマップ」は、その最大のチャンスです。
あなたのどこを気に入っているのか、どういう未来を作ってほしいのか、
何を期待しているのか、見習いたいところは?などをまとめて描いてお渡しすると、
相手のかたにとっても忘れられないバースデープレゼントになります。
マインドマップの内容を説明すれば、より一層伝わりますね。

ライブレポート・マインドマップ」も最適ですが、
ライブレポート・マインドマップには「ライブ代+交通費、たまに宿泊費」という、
おおいなる出費も伴います。さらに、相手のかたとの関係も結果に反映してきます。


そうやってマインドマップの量を重ね、ご自身らしいマインドマップを描けるようになったら、
今度は、Soundings同様、「自身のマインドマップに一人で対峙する」余裕も
生まれてきます。ここまで到達したら、マインドマップが便利すぎて楽しすぎて、
なくてはならないツールになることでしょう。

この境地に達すことが、最終目標。
一人で対峙するマインドマップは脳に染みわたり、長期記憶として定着します。

ぜひ、お試しください。


※Soundings
ブックショップ Nadiffの一室に専用の音楽空間をしつらえ、
このブースに一人こもってじっくり音楽と向き合うインスタレーション。

このインスタレーションを鑑さんが企画なさった背景には、
瀬戸内海に浮かぶ島、ベネッセアートサイト直島にて開催されている、
内藤礼さんの「きんざ」の存在があります。

「きんざ」は、築百数十年経過した小さな家屋をそのまま利用し、
お客さんはこの中で15分間、たった一人で作品を鑑賞します。
「たった一人で作品と対峙する」ところにおおいなるヒントを得て、
Soundingsの音楽インスタレーションへと発展していったようです。