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[音楽の力]を痛感するとき

 心穏やかになりにくい日々が続き、時間の経過がますます早く感じてしまいます。
 この1か月は、今まで味わったことのない感情が交差した日々だったことと思います。

 個人的には、精神的にも肉体的にも音の世界を失くした1か月でした。

 地震が起きた翌日3月12日、前乗りしていた広島から急遽戻ってきたのですが、その飛行機の中で今までに味わったことのない猛烈な耳の痛みを感じ、耳の中で「パッキーン!」と大きな音がしました。
 羽田へ着いたとき、私の周囲に音の世界はありませんでした。

 鼓膜は、外から入ってきた空気の振動をとらえて内耳につたえる役目をしています。
 したがって、鼓膜が破れても、すべての音が完全に失われるわけではありません。その代わり、音の聞こえ方が狂ってしまうようです。自分の発した独り言やテレビの音声が、はるかかなたから聞こえてきます。それも、毛玉のようにもやもやしていてハッキリと聞き取ることができません。この状態が、ビミョーに気持ち悪いのです。
 こういう形で破れた鼓膜は、化膿しないように注意さえすれば、そのうち自然にふさがっていくのだそうです。どのくらい経てばふさがるかは、損傷の度合いなどによって変わってきます。

 1週間以上、ほとんど聞こえない状態が続きました。自分の発した声が、はるか離れた場所から毛玉のように聞こえてくるのが気持ち悪くて、声も出さずに閉じこもっていました。耳の奥もひりひりと痛みが続いていました。
 現在でも、気圧が変化したり疲れがたまってくると耳が痛くなって聞こえ方が極度に悪くなりますので、まだ完全にふさがってはいないようです。

 音の世界が戻ってきたことを実感できたのは、3月25日、Ustreamで放映された「東北関東大震災チャリティーライブ"Let's go, Japan"」のライブを聴いたときでした。
 今までも、聞こえることのありがたさは実感していましたが、このときほど痛感したことはありません。井上鑑氏のピアノを聴きながら、涙が止まらなくなりました。


 大きなダメージを受けると、しばし、音楽の存在を忘れます。3.11から数日間、多くの人が「音楽どころではない」と思ったのもそれが要因です。

 一方で、回復してくる過程で最も渇望するのも、音楽です。

 私の場合は肉体的にも心理的にも音の世界を失いましたので、ますますその度合いが大きかったようです。
 3月31日に行われた吉川忠英氏 アルバム発売記念&大震災義援ライブ、さらに、4月9日の深夜に行われたI'm with U 24時間ラジオのスペシャルライブの音をちゃんと自分の耳で聴くことができたとき、今までになく感動してしまいました。本当に嬉しかったです。

「音楽は、心の近くにある。人を支える力になる」

 吉川忠英氏 アルバム発売記念&大震災義援ライブにて鑑さんが仰った一言です。

 大震災に直接的に巻き込まれてしまわれた陸奥の方々も、また、間接的に心理的に被災してしまった私たちも、今、心から音楽を渇望しているようです。

 現在、人生を前向きに元気にする楽曲がたくさん発表されています。
 そういうパワフルな楽曲をどんどん聴いてエネルギーに変えて、リスタートしていきましょうね。


I love you & I need you ふくしま (猪苗代湖ズ)
福島県出身の松田晋二氏(The Back Horn)、山口隆氏(サンボマスター)、渡辺俊美氏(Tokyo No.1 Soul Set)、箭内道彦氏(風とロック)が急遽組んだバンド「猪苗代湖ズ」。
この楽曲は、Tokyo FM携帯サイトからダウンロードできます。
利益の全額を福島県災害対策本部へ寄付されます。

Let's Try Again(チームアミューズ)
桑田佳祐氏の作詞作曲、アミューズ所属のアーティストが一堂に会して大合唱。
4/20から配信スタート。

茂木葉子の講座[学びの庭]
編集者&著者 茂木葉子
葉っぱの日ごよみ