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パートナーは異質のほうがうまくいく

優れた経営者には、優れたパートナーが必要不可欠です。

例として引き合いに出されるのが、
本田宗一郎氏と藤沢武夫氏の関係でしょう。

そう、世界のホンダ(本田技研工業)の創始者 本田宗一郎氏と
副社長だった藤沢武夫氏です。

パートナーシップ

お二人はそれぞれ自著を出版されています。
それぞれの書籍を同時に読み進めてみると、
お互いの性格や心情を窺い知ることができます。

本田宗一郎『夢を力に-私の履歴書』『やりたいことをやれ
藤沢武夫『経営に終わりはない

本田宗一郎氏から感じるキーワードは、
「破天荒」「ダイナミック」「独創的」の3つ。
ヨセミテの山々の合間をスカイダイビングで飛び続けているような
そんな感じがしてきます。

一方、藤沢武夫氏から感じるキーワードは、
「冷静沈着」「実直」「緻密」の3つ。
寄木細工でできた箱に、さらに様々なカラクリを施すような
そんな感じがしてきます。

本田さんと藤沢さんの性格は、正反対と思えるほど。
完全なる異質で、似ているところはほとんどありません。
そして、ホンダが世界のホンダに駆けあがっていったのは、
この異質のパートナーシップがあったからこそではないでしょうか。

どこまでも破天荒にダイナミックに進んでしまう本田さんを
絶妙なさじ加減で冷静に緻密に制御する藤沢さんの存在。
プラスとマイナスの異質のパートナー同士だからこそ
ホンダは世界のホンダになっていった気がします。


パートナーが同質の場合はどうなるでしょう?

最初のうちは、うまくいくでしょう。
「僕たち、似ているよね」と、気持ちも通い合います。
阿吽の呼吸で相手の気持ちもわかりますから、心地よさも感じます。

でも、この「わかりやすさ」「心地よさ」は、脳にとってはひじょうに危険。
そうです、馴染んで慣れて、次第に感じなくなっていくのです。

これは、どんな天才であろうと関係ありません。
脳がもともと持っている性質ですから、
ヒトである限り、誰であっても変わらないのです。

たとえば、本田さんが破天荒で、藤沢さんも破天荒だった場合、
あるいは、本田さんが冷静沈着で、藤沢さんも冷静沈着だった場合、
本田技研工業は今のような発展をしたでしょうか?

どちらもNOであることがなんとなく想像できてしまいます。

破天荒な経営者と破天荒な参謀役。
あるいは、冷静沈着な経営者と冷静沈着な参謀役。

どちらの道を進んでも、やがて訪れるのはマンネリズムです。
心地よさの海に漂ってしまった結果、
残念なことに、マンネリを感じるセンサーまで鈍くなってしまいます。

本人たちはマンネリに気付かない。心地よさに酔いしれたまま。
周囲にNOを言える人がいないと、ますますその傾向が強まります。
第三者のほうが、マンネリになっていることに気付きやすいですから。

異質のパートナー同士の場合は、
相手のマンネリは自分の違和感につながりますから、すぐに気付きます。
ここらで軌道修正が必要とセンサーも発動し、マンネリに陥ることも少ないです。

でも、同質のパートナー同士は、
マンネリ感知センサーも鈍ってしまいます。
マンネリの海をどっぷり漂っていたとしても
センサーはまったく作動しません。
心地よさのほうが優先して、次々にマンネリを生み続けます。


「同質のパートナーは心地よいけれど、長い目でみたら、
パートナーは異質のほうがうまくいく」

本田宗一郎氏と藤沢武夫氏から学べるとても大きな教訓です。

茂木葉子の講座[学びの庭]
編集者&著者 茂木葉子
葉っぱの日ごよみ