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Good-luck with 松丸本舗

-松丸本舗、9月30日午後9時をもって閉店-

30日も松丸本舗へ行ってきました。
どうやら台風17号が近づいているようです……。東京に接近するのは午後6時~9時頃になるとか。

正剛さんは、「嵐を呼ぶ男」です。過去、講演会や「感門之盟」(かんもんのめい:ISIS編集学校の卒業式)などのスペシャルな集いが、何度、嵐の日と重なってしまったことやら。松丸本舗最終日というスペシャルな日。またもや嵐を呼び寄せてしまわれたようです……。

万が一に備え、神田や東京駅近辺のホテルや24時間喫茶店のリストを携え、松丸本舗へ向けて出発しました。

松丸本舗LAST DAY


午後2時、松丸本舗へ到着。

昨日29日も混雑していましたが、今日は最終日、ますます大勢のお客さんで賑わっていました。見知ったお顔も本当に多い♪ ISIS編集学校の関係者の方々が積極的に足を運ばれたようです。

もともと「65坪」の松丸本舗です。しかも、回廊のような密林のような入り組んだ造りです。
そこへ、大勢のお客さんが一斉に押し掛け、真剣に読みふける熱も受けて、内部はますます暑かったです。

「今日で、終わり」「今日しか、ない」

その気持ちが、さらに拍車をかけているのでしょう。みなさんの熱は上がる一方です。
かくいう自分も、いつもは素通りしてしまう最上段の棚も、わざわざ台車を引っ張り出してきて飛び乗って、読みふけってしまいました。

松丸本舗LAST DAY


今日も、大量まとめ買いのお客さんが多いです。書籍山盛りのカゴをかかえた人たちで、レジ前はズラ~っと行列ができています。

今日はさらにもう1つ、行列ができていました。正剛さんが『松丸本舗主義』に1冊1冊ていねいにサインをなさっていらっしゃいます。
白いワイシャツにネクタイ姿。このお姿を拝見するのは、とても珍しい気がします。

入口近辺は、「レジ待ちの行列」と「サイン待ちの行列」が混線状態です。


▼松丸本舗入口から中を眺める。ヒートアップ中です……

松丸本舗LAST DAY


先行販売300冊限定の『松丸本舗主義』も、7月に発売された『3.11を読む』も、残りわずかになっていました。さらに、この期間中だけかなりお安く購入できるブックエンドも、ほぼ完売……。

今日一日だけで、あるいはこの1週間だけで、松丸本舗の売上は過去数カ月分に匹敵していたはずです。


▼残りは、この棚にあるだけ……(!)

松丸本舗LAST DAY


夕方からは、"松丸「本」勝負"の結果発表、『全宇宙誌』『遊』創刊号オークションの結果発表があり、さらにいよいよ「閉店の儀」、松丸本舗のプロジェクトにかかわった皆さんのご挨拶がありました。

なんともいえない気持ちになりました。神妙な気持ちで聴き入ってしまいました。

本当に終わってしまうのですね……。残念でたまりません。
もっとしっかりブックショップエディターの皆さんのお話をうかがっておけばよかった……。もっと何度もワークショップに参加しておけばよかった……。悔やんでしまいます。


でも、一方で。
区切りがあったからこそ、気づけたことや確信できたことも多かったように思うのです。
人間は残念なことに、当たり前になると、ありがたみを忘れてしまいます。

なによりも、「インタラクティブなリアルショップの重要性」を改めて感じたのは私だけではなかったはず。

書籍を手に取って重みと感触を体で感じ、ふわっとインクの匂いを嗅ぎ、ページをぱらぱらとめくって音を感じ、そのうえで、装丁や文字を目で見て読んで楽しむ……。感覚を総動員して本と対峙できるのは、リアルショップならでは。

しかも、松丸本舗の書籍の並びは、発見と驚きの連続です。
「何故、この本の隣に、こういう本が並んでいるの? ああ、そうか。なるほど、そういう括りも存在するんだ」
本の並べられ方を通して、本と双方向の会話を楽しむことができるのは、松丸本舗だからこそ。

さらに、書店でありながら雑誌を扱っていないこと、「こうすれば売れる」「こうすれば儲かる」系の実用書が平積みされていないことも、松丸本舗の特長でした。


「松丸本舗」という名の本屋さんは、これで終わってしまうのでしょう。

でも、松丸本舗で培われた精神や技術はすべて、新しいブックショップや新しい「本との付き合い方」へ、そのままつながっていきます。次の展開への布石は、もうしっかりできたように思います。
松丸本舗でまかれた種は、それぞれがそれぞれの土地で芽吹き、しっかり育っていくことでしょう。

正剛さんがこれで終わりにするわけはない!と信じているので、次にどのような幕が開くのか、ワクワクしながら待つことにします。


松丸本舗の皆さま、関係者の皆さま。
3年間、おつかれさまでした。
そして、
刺激的な本屋さんを、ありがとうございました☆


茂木葉子の講座[学びの庭]
編集者&著者 茂木葉子
葉っぱの日ごよみ