心鑑飛音:FLOWライブ@ゆらぎの音たち

トリオ・アコースティック・ライブ「心鑑飛音:FLOW」へ。
「心鑑飛音」は、「しんきょうひおん」と読むそうな。

江口心一さんの「心」、鑑さんの「鑑」と飛鳥さんの「飛」、
そこに「音」を組み合わせて表現することで、このライブの想いがリアルに伝わってくる。

「心鑑飛音:FLOW」ライブは、その想いどおり、
お三方の音が響き合うライブだった。

井上鑑(Keyboards、Voice)
金子飛鳥(Violin、Voice)
江口心一(Cello) [敬称略]

井上鑑氏~心鑑飛音ライブ~

ライブは、夕方の部&夜の部の二部構成で行われた。

場所は、西麻布のRainy Day Bookstore & Cafe。
「SWITCH」や「Coyote」を発行するスイッチ・パブリッシング直営の本屋カフェである。
壁はレンガ、床はしっとりと温かみのある木材、
壁に備え付けられた本棚には、魅惑的な書籍がたっぷり並べられている。

そんなワクワクするたたずまいの中、今日は公開録音も行われた。
エンジニアの赤川新一氏、スタンバイOK。
赤川さんのにこにこ笑顔から、夕方の部でも良い音が録れたことが伝わってくる(^^)


夜の部は、鑑さんの楽曲「Somewhere East」から始まった。

「Somewhere East」は、日光で行われた「ブラジル移民100周年記念帰国コンサート」でも
聴かせていただいた('08/10/28)が、 あのときは筝や尺八など和の音とのコラボレーション。

今回は、洋の音の代表格、バイオリンとチェロによる演奏である。
チェロの低音が心に響く。そこへ鑑さんと飛鳥さんの音色が絡み合い、優しさが満ちてくる。
キーワードは「きらめき」、「水」、「やさしさ」。(うーん、これだけ書いても意味不明かな)。


2曲目は飛鳥さんの楽曲「風の谷」。
跳ねるような、広がるような、光るような、そんなイメージを感じる楽曲。
さらには、「輝き」や「魂の叫び」を感じさせる。クリスタルっぽい輝きを放っている。

飛鳥さんの楽曲は、大地や自然を感じさせる曲が多い。
この曲もそんなイメージが満ちていて、とても美しい。


4曲目が始まる前、飛鳥さんが「ちょっと実験をします」と仰って、いきなり靴を脱ぎ始めた。
靴下は5本足ソックス。つややかな白が可愛らしい。シルクっぽい。笑。

「オーディオのインシュレーター的に作用するのを防ぐため」に、
「FLOW」を録音するとき、飛鳥さんは裸足で演奏なさったそうな。
「実際、どのくらい違うのか実験してみたい」と仰り、
飛鳥さんは、靴を履いた状態で演奏、さらに、靴下の状態で、1フレーズ演奏なさった。

その違いは、素人の自分にもリアルにわかった。靴を履いていると音が籠った感じになる。
靴下の状態だと、飛鳥さんのバイオリンから生まれた「音の粒子」が飛鳥さんの全身をつたって、
しっとりとした木の床に伝わっていく感じがした。

実験のあとに演奏されたのは、その「FLOW」。

「FLOW」には、「流れ」「自由な移動」といった意味があるが、まさにそんな感じ。
音符たちが飛び回って跳ねまわって、きらきらと自由に旅を続ける。
バイオリンとピアノの音色が、自由に闊達に動き回る。
この2つの音を、チェロの低音がふわっとやさしく包んでまとめている。
この曲は、白いふわふわした羽が見えてきて、とても楽しかった♪


5曲目「TRAVESSIA:トラヴェシーア」。
ブラジルの音楽神Milton Nascimento:ミルトン・ナシメントの代表曲である。
「リリカルでとても素晴らしい曲なので、演奏してみようと思った」と鑑さん。

鑑さんのシンセからは、コミカルに跳ねる音が紡ぎ出される。
音たちが会話しているような、そんな感じがする。
そこに、バイオリンのつま弾く音色が加わって、ますますポップなイメージが増していく。

・・・なんだか、女の子たちがおしゃべりしているみたいだな。
きゃきゃっと笑って話しているみたい。

鑑さんは、左手で低音をゆったり弾き、右手で細かい音を可愛く弾き始める。
今度は、おじいさんと女の子の会話みたい。なんだかとっても面白い。
可愛い。微笑ましい。愛らしい。良い音楽&良い音は饒舌なのだ。


アンコール「1613」は、ますます饒舌な楽曲だった。

いきなり、つやつやした若葉から水滴がこぼれ落ち、波紋の広がるイメージが見えてくる。
朝陽、白い羽の天使(かな?)、輝く虹も、1/fゆらぎ。(これだけ書くと意味不明かも?笑)

深呼吸したくなるような心地よさ。美しい~♪
あぁ、もっと聴いていたい~~♪


「心鑑飛音:FLOW」ライブは、音の粒子が響き合うライブだった。

キーボードとバイオリンが自由自在に動き回り、おしゃべりを楽しむ。
のびやかに自由にゆらぎ合って遊びまわる音たちを、
江口さんのチェロがゆったりと包み込んでまとめている、そんな感じのするライブだった。

じつに癒された。 
200人の前で登壇するセミナーのために、緊張して過ごした5月の毎日。
その締めとしてリスニングするのに、とてもふさわしいライブだった。

鑑さん、飛鳥さん、江口さん、
音がゆらぎ、響き合うライブ、ありがとうございました。