朗読劇・一期一会「義経」@築地本願寺:迫力&奥行き

 大沢たかお氏の朗読劇・一期一会「義経」を観に、築地本願寺へ。

原作:「義経」 (司馬遼太郎)
キャスト
 朗読:大沢たかお
 津軽三味線:吉田兄弟(吉田良一郎、吉田健一)
 編曲・キーボード:井上鑑
 舞:蟹瀬レナ                [敬称略]

朗読活劇[一期一会]ライブレポートマインドマップ

 今回の演目は、源義経である。
  司馬遼太郎氏原作「義経」をモチーフにして、たかおさんの朗読と芝居で、義経の生涯を語りつくす。

 そこへ、吉田兄弟の津軽三味線と鑑さんのキーボード、さらにレナさんの舞が加わって、全体で、源義経の生きざまと心情を表現している。

 パンフレットには、「朗読・芝居・音楽が織り交ぜられ進行する朗読活劇」とある。

 さらには、「入念な構成、演出、迫真の語り、演技、そして徹底して質にこだわった音楽とのコラボレーション」とも。

 パンフレットのうたい文句そのもの、たがわない朗読劇だった。
 すばらしい数時間を共有させていただいた。たっぷり堪能した。


 たかおさんの声は、ふところ豊かで深みがある。張りのある良い声をされている。そのすばらしい声で、義経の心を演じきる。迫力に圧倒された。

 吉田兄弟の語りかけるような津軽三味線の音色。
 鑑さんの彩り豊かなキーボード。心にくい演出の数々。
 レナさんのきらめくような優美な舞い。

 風にはためく薄絹、本願寺の建物を最大限に活かした照明、雨降り間近の薄月も味方をして、じつに幻想的な雰囲気で、すべてを含めてみごとな演出、見どころ満載、素晴らしかった。

 義経という人は......才能があり過ぎるために、一方では敬遠され、一方では巧みに利用され、せつない一生を過ごした人であることを改めて感じてしまった。もらい泣き。


 たかおさんの朗読劇は、小説の朗読とはまったく異なる。朗読も音楽や舞いも重要な要素、全体で大きなドラマを繰り広げていく。

 義経の心情を語るシーンでは、たかおさんはかえって何も語らずに演技をなさり、吉田兄弟の津軽三味線と鑑さんのキーボード、レナさんの舞で、お客さんが自由にイマジネーション&アソシエーションできるよう構成されている。

 吉田兄弟の楽曲のうち、この曲をここに演出なさった鑑さんの意図、それをも感じつつ、今日の朗読劇を堪能した。

 特に、第一部のエンディング。
 この大切な場面に、吉田兄弟のこの楽曲を演奏なさるとは・・・・・・。余韻がぐぐっと来て、第二部の開始がじつに待ち遠しくなった。

 吉田兄弟の音色は、良一郎さんと健一さんのお二人で、まったく異なる。
 活劇の場面にあわせて、それぞれの個性を最大限に活かすよう組み立てられているところ、ますます鑑さんの編曲者としての腕を感じてしまった。

 なるほど、井上鑑氏は最高の編曲者である。改めて書くことではないけれど、本当にすばらしい。最高。

 このすばらしい朗読活劇を間近で拝見できたことを、とても嬉しく思う。参加できて、本当に良かった。


 今回の朗読活劇を行うにあたり、たかおさんは「朗読と音と舞の三者をもっと深く絡めたかった」そうな。

 吉田兄弟&鑑さんに演奏依頼がもたらされたのは、昨年開催された吉田兄弟の「いぶき」ライブツアーをご覧になって吉田兄弟の演奏&鑑さんの演出を気に入ってくださったのでは?と想像する。

 たかおさんが、吉田兄弟&鑑さんを選んでくださらなければ、当方が朗読活劇を観ることは、永遠になかった。

 たかおさん、吉田兄弟&鑑さんを選んでくださって、本当にありがとうございます。おかげさまで、この貴重な朗読活劇をたっぷり堪能することができました。


 たかおさん、吉田兄弟、鑑さん、レナさん、
 関係者のみなさま、スタッフのみなさま、
 すばらしい朗読劇を、ありがとうございました!