DSD Trioライブ@最高の笑顔が物語る

7日2日に引き続き、7月3日、渋谷LastWaltzにて行われたDSD Trioライブへ行ってきました。DSD Trioのファーストアルバム『LISTEN』の発売を記念して行われたライブです。

DSD Trio
井上鑑(Key)
山木秀夫(Ds)
三沢またろう(Per) [敬称略]

(マインドマップは後日アップします)


演奏された曲目は、昨日とほぼ同じです。しかし、同じ演奏にならないのがインプロ魔術師たる所以です。誰かがちょっと変わった音色を追加すると、「おや、そうきましたか!?」と、即座に呼応して音を加えます。仕掛けて仕掛けられて、仕掛けられてまた仕掛けて、どんどん変化していきます。

このトリオがとても楽しいのは、「何ができ上がるか、自分たちだってわからない」、その偶発性にあります。

偶発で生まれる楽曲が最高級のものになるのは、もちろん、DSD Trioの演奏能力が素晴らしいからです。さらに、相手を信頼し、自分自身をも信頼しているからこそ。長年、ともに演奏を行い、切磋琢磨してきたメンバーだからこそ生まれるインプロビゼーションです。


▼鑑さんのキーボードブース側

DSD_Trio_2014/07/03


1曲目の『Sara's Touch』。

グロッケンシュピール(Glockenspiel)はもともと、心をリセットして「素」に戻す音色です。今日はますます心地よくリセットされて、伊耶那美の女神様にいざなわれつつ、森林に入っていく氣分でした。美しくて美しくて、うっとり(とろとろ~)。

この曲がアルバムの先頭にある理由も、とても頷けます。


3曲目『Sensual Masala』。

やはりSensualというより、Jumpingに近いイメージがあります。テンポの関係もあるのでしょう。かといって、Jumpingでもないのです。

鑑さんご自身も、「名前を変えたほうがいいのかもしれない......。ということで、今日は『木曜日のMasasla』をお届けします」。

『木曜日のMasala』は、ベル系の鳴り物と、流れるようなピアノが印象的でした。流麗で風雅、ふくよかな緑と豊かな水を感じます。どこかヨーロッパ的、それも、オーストリアやポルトガルの古城のイメージです。


5曲目『The Messenger』。
カナダ出身の音楽家、Daniel Lanois(ダニエル・ラノワ)さんの楽曲です。

鑑さんのピアノがひときわ美しく光ります。
そこへ、神楽鈴のような響きでまたろうさん。さらに、大地の音のような響きで山木さん。

思わず、涙が......!  

原曲の詞、私は知りません。なのに、涙しそうになるなんて。これはもう、DSD Trioの演奏だからこそ。深くて心温まる演奏に、心が揺らいでしまったようです。CDや配信でも美しい音色ですが、生演奏はさらに神々しさが増していました。


後半2曲目『Berim Bartok』。

Berimbau(ビリンバウ)の揺らぎながら伸びる音色が印象的。変拍子炸裂のカウントの取りにくい楽曲ですが、この摩訶不思議感が、たまらない魅力です。

今日の『Berim Bartok』は、交信し合っているような演奏でした。

それぞれのつむぎ出す音色にどんどん触発され、ドラムからバラフォンへ移って叩いていらした山木さんはついに、会場の天井近くにある柱まで上って、カンカンと叩き始めました!

わお、山木さんにかかったら、柱も立派な楽器♪ めちゃ良い音!!

「何の音?」と、演奏しながら不思議そうに確認する鑑さん。のけぞって大笑い☆

たぶん山木さんは......。
カネ系の音色を加えたかったのでしょう。さらに、会場が縦長で観えにくいので後ろの人たちへの配慮だったと想像します。

演奏が終わったお三方の、最高の笑顔☆ 
特に鑑さん。インプロばっちり決まったぜ!と言いたげな、満面の笑み☆ 少年のように、くったくのない笑顔です。 


10曲目。郭公のような音色をキーボードで語る鑑さん。この曲はもしや......!

思ったとおり、『トンボ』と『鳥の歌』を組曲にした例の曲でした。前回のDSD Trioライブで、最高にお氣に入りだった楽曲です。

この曲は、鼻息が荒くなります(笑)。原曲はもの悲しげな『鳥の歌』が、ここまでカラフルで豪華に生まれ変わってしまうとは.....。これは間違いなく、鑑さんのアレンジのパワーです。聴き惚れ♪ そして、溜め息。


深い深い鎮守の森で、次々に宝物を発見してわふわふ楽しんでいる少年三人組のライブでした。リスナーだけでなく、神様も森の動物たちも一緒にきゃいきゃい楽しんでいるような感じがしました。

このライブが楽しくて楽しくてたまらなかったことは、お三方の最高の笑顔が物語ります。某所では絶対に拝見できない、最高の笑顔です。


思うに、DSD Trioライブは、何かの合間に2日間連続で行ってしまのはもったいない氣がします。DSD Trioとして行ないたいことは、まだまだたっぷりあるように思います。

「勝ち続ける」ことに執着して拘束して「俺のモノ」化している関わりからは、もういい加減に離れて、DSD Trioの活動を、さらにご自身本来の活動を煮詰めていっていただきたいと、今日も改めて思いました。

もっともっと「時間」を大切にしていただきたいです。

演奏中に「Must」がにじむ場ではなく。
この最高の笑顔を拝見できる場が、もっともっと増えますように......。


鑑さん、山木さん、またろうさん。
濃くて深くて楽しいライブ、ありがとうございました!


1部:
Sara's Touch
Blue Prague
Sensual Masala 改め 木曜日のMasala
Norwegian Wood
The Messenger
The Weight +α

2部:
バリ旅行組曲
Berim Bartok
オーディオ少年、これから何処へ?
トンボと鳥(組曲)
X=歩幅

アンコール:
トロイメライのサンバ


※DSD Trio
「DSD」は、Direct Stream Digitalのことであり
演奏者の担当楽器Drums-Synth-Drumsのことでもあります