丹後の暈し染め

1/9、新宿伊勢丹にて開催されていた小林染工房さんによる丹後の暈し染めを拝見しました。

丹後の暈し染め

2メートルの生地を引き染めで仕上げてくださる様、この至近距離で拝見するのは初めてで興奮しっぱなし。淡い青を横一直線で引いた後、淡い青、青、紫がかった濃い青の3色を縦に引いて仕上げてくださいました。
(実際の現場では、横一直線で引いたら、そこで一日待つのだそうです)

丹後の暈し染め


刷毛の動かし方や向きを微妙に変えて、暈されながら染められていく様がとても美しかったです。

こういう技術を、一般の方々でも見られる機会が増えるといいのですが。個人的には、大好きな丹後の染物に対する見方がひとつ進化しました。

貴重な場面を拝見させていただき、
小林さん、ありがとうございました。

丹後の暈し染め


なお、奇しくも同じ新宿伊勢丹では「石川・富山物産展」が行われていました。

加賀友禅のブースで足が止まってしまい、お店の方と長話。
加賀友禅の職人さんの現状が、出版業界の抱える悩みと酷似していて心が痛かったです。


着物や浴衣を着たい人たちが、若い子たちを中心に増えてきているようです。

しかし、彼女たちの多くは、「made in 他国の着物もどき」を安直に買い求めてしまいます。
「made in他国の着物もどき」は、繊維が三流だったり化繊だったり、表面のみの模様だったり、安い化学染料を使っていたり、安いには安いだけの理由が必ずあります。

そして、その背後には、「安い賃金で長時間労働を強いられている海外の労働者」がいます。ファストファッションの着物版がひたひたと登場しつつあります。

(参照→映画『ザ・トゥルー・コスト ~ファストファッション 真の代償~』)


「made in他国の着物もどき」を着物と思われてしまうことは、正規の着物に対して、とても申し訳ないように思います。

正規の着物というと、「高額」のイメージがつきまといます。
しかし、職人さんたちの技術を間近で拝見できる機会が増えると、本物の着物が何故高額なのか、理解できますし、本物の着物に対してもっと親しみをもてるようになるのではないでしょうか。

この手間をかけたからこその、この値段。
それを感じ取ることができたら、「made in他国の着物もどき」を安直に買い求めることも減るかもしれません。

着物業界の今後に、期待したいです。